職場で孤立していると、夜になって頭の中で反省会が始まります。「あのときの言い方が悪かったのか」「自分に協調性がないからか」。そして「やっぱり自分が悪いんだ」という結論に着地して、翌朝また消耗した状態で出社する——この繰り返しに心当たりがあるなら、この記事はあなたのために書いています。

先に結論をお伝えすると、「孤立しているのは自分が悪いから」という文は、問いの立て方として壊れています。孤立は「自分」と「環境」の掛け算で起きるもので、どちらか片方だけが原因であることはまれだからです。この記事では、自責と環境要因を切り分けるための3つの問いを紹介します。切り分けができると、「反省すべき点は直す、環境の問題は環境の問題として扱う」という健全な整理ができるようになります。

問い1: 「いつから・どこでも」か、「この職場から」か

まず時間軸で切り分けます。

  • これまでのどの職場・学校でも同じように孤立してきたか
  • それとも、この職場(またはこの部署・このメンバー)に来てから起きたことか

これまでの環境ではふつうに人間関係を築けていたのに今の職場でだけ孤立しているなら、変わったのはあなたではなく環境です。メンバーの構成、部署の文化、業務の忙しさ——環境側の要因を差し置いて「自分の性格が悪い」と結論づけるのは、事実に合いません。

逆に「どの環境でも同じパターンになる」と感じるなら、自分の関わり方の癖が影響している可能性はあります。ただしそれも「悪い」のではなく「癖がある」だけで、癖は把握すれば調整できます。

問い2: 「事実」と「解釈」を分けて書き出せるか

夜の反省会で頭に浮かぶ内容は、事実と解釈が混ざっています。紙に2列を作り、左に事実、右に解釈を分けて書き出してみてください。

  • 事実: 「昼休みに誰からも声をかけられなかった」
  • 解釈: 「嫌われている」「いない方がいいと思われている」

書き分けてみると、解釈の列は積み上がるのに、それを支える事実の列が意外と薄いことがよくあります。「声をかけられなかった」という事実は、「嫌われている」以外にも「皆それぞれ忙しい」「たまたま」など複数の説明と両立します。事実が薄いのに解釈だけが濃くなっているなら、それは観察ではなく自責の習慣が書かせている文章です。

注意してほしいのは、逆のケースです。事実の列に「挨拶しても返されない」「自分だけ連絡網から外される」といった具体的な出来事が積み上がっていくなら、それは「気にしすぎ」ではありません。厚生労働省(あかるい職場応援団)の「パワーハラスメントとは」では、職場のパワーハラスメントの類型のひとつとして「人間関係からの切り離し」(隔離・仲間外し・無視)が挙げられており、同僚に話しかけても集団で無視される状態が続いて職場で孤立している、という設例がこの類型に該当すると考えられる例として紹介されています(執筆時点)。該当するかどうかは個別の状況で判断されるものですが、少なくとも「自分が悪いかどうか」を考える前に、起きていること自体が妥当なのかを疑ってよい状況です。その場合は、各都道府県労働局の総合労働相談コーナーのような無料の公的窓口に、書き出した事実を持って相談してください。

問い3: 「自分が悪い」と考えることで、何かを避けていないか

少し踏み込んだ問いです。「自分が悪い」という結論には、実は楽な面があります。自分が原因なら、自分が我慢するか直せば済む話になり、上司に相談する・環境を変えるといった、労力と不確実性の大きい行動を起こさなくてよくなるからです。

自責の癖が強い人ほど、この構造にはまりやすい傾向があります。数秘術の考え方を補助線にすると、たとえばライフパスナンバー2の人は自分の意見や希望を後回しにして疲弊しやすく、6の人は頼まれると断れず抱え込みやすく、33の人は自己犠牲が過ぎて境界線を引くのが苦手になりやすい傾向があります。こうした傾向に心当たりがあるなら、「自分が悪い」という結論は分析の結果ではなく、行動を避けるための癖かもしれません。無料診断で自分のナンバーを確かめて、抱え込みの癖という角度から現状を見直してみるのも一つの方法です。

切り分けた後にやること

3つの問いを通すと、あなたの状況はおおよそ次のどれかに整理されているはずです。

  1. 環境要因が大きい: 自分を責めるのをやめ、異動・相談・環境を変える検討にエネルギーを移す
  2. 関わり方の癖が影響している: 「悪い」ではなく「癖」として、直せる範囲をひとつだけ選んで試す(挨拶を自分から続ける、雑談に週1回入ってみる、など小さく)
  3. 事実として無視・仲間外しが起きている: 記録を取り、公的窓口に相談する。自分を責める工程はそもそも不要

どれに整理されても、「夜の反省会で自分を責め続ける」は入っていないことに気づいてください。自責は対処ではなく消耗です。

ひとりで切り分けきれないときは、LINEで質問を受け付けています。書き出した事実と解釈のメモを持って話しかけてもらえれば、整理のお手伝いをします。