「会社に居場所がない」。この感覚があると、仕事の内容や待遇に大きな不満がなくても、毎日が少しずつ削られていきます。そして「辞めたい」が頭に浮かびます。
先に結論をお伝えすると、「居場所がない」はそのままでは対処できない大きすぎる言葉なので、「役割」「関係」「評価」のどれが欠けているのかに分解することから始めるのが有効です。どれが欠けているかで、転職で解決する問題なのか、いまの会社の中で動ける問題なのかが変わるからです。最終的な判断はあなた自身の状況を踏まえて行うものとして、この記事では分解の手順を説明します。
「居場所がない」の中身は3種類ある
同じ「居場所がない」でも、欠けているものは人によって違います。
- 役割の欠如: 自分がいてもいなくても仕事が回る。何を期待されているのか分からない
- 関係の欠如: 雑談に入れない、ランチにひとり、相談できる相手がいない
- 評価の欠如: やった仕事が認識されていない。感謝も指摘もされない
まず、自分の「居場所がない」がどれに一番近いかを選んでみてください。複数当てはまる場合は、「これが満たされたら残ってもいいと思えるのはどれか」で順位を付けます。
なお、仕事や職業生活に関する不安や悩み、ストレスの状況は、厚生労働省が「労働安全衛生調査(実態調査)」で毎年調査しているテーマです(執筆時点)。職場に関する悩みを抱えること自体は、国が継続的に調査するほどありふれた状態であって、あなたが特別に弱いわけではありません。
欠けているものごとに、打ち手は違う
役割が欠けている場合
期待されている役割が不明確なだけなら、上司との面談で「自分は何を期待されているか」を確認するだけで景色が変わることがあります。逆に、確認しても役割が与えられないなら、それは会社側の問題も含めた構造の話で、環境を変える検討に進む材料になります。
関係が欠けている場合
関係の欠如は、部署異動やチーム替えだけで解消することがある一方、「どの職場でも同じことが起きるのでは」という不安が付きまといやすい領域です。過去の職場でも同じだったのか、今の職場だけなのかを思い返すと、環境要因か自分の傾向かの切り分けが進みます。
評価が欠けている場合
成果が見えにくい仕事をしている場合、評価の欠如は仕事の性質から来ていることがあります。評価制度や上司の運用の問題なのか、仕事そのものが「見えにくい」のかを分けて考えます。
自分がどれに反応しやすいかを、数秘で仮説にする
どのタイプの欠如に強く反応するかには、その人の傾向が出ます。数秘術の考え方を補助線にすると、たとえばライフパスナンバー2の人は条件面より「誰と働くか」が満足度に効きやすく、関係の欠如が特に堪えやすいという仮説が立てられます。6の人は「誰かの役に立っている実感」が満足度を左右しやすいため評価・感謝の欠如に、9の人は「何のためにやるのか」への納得が続ける鍵になりやすいため役割や意義の欠如に、11の人は職場の空気そのものに影響を受けやすい傾向があります。
自分のナンバーは生年月日を入れるだけの無料診断で確認できます。「2だから関係重視のはず」と決めつけるためではなく、「自分は関係の欠如に反応しているのでは」という仮説を立てて、実際の気持ちと照らし合わせるために使ってください。仮説が外れているなら、それ自体が「本当に欠けているものは別にある」という発見です。
分解しても答えが出ないときは、第三者と整理する
ひとりで分解しても、「どれも欠けている気がする」「切り分けられない」となることはあります。頭の中だけで考え続けると、同じところをぐるぐる回りがちです。
そういうときは、第三者に話しながら整理する方法があります。キャリア専門のコーチングサービスには「転職すると決める前」の段階から使えるものがあり、POSIWILL CAREER(ポジウィルキャリア)の無料カウンセリングは「辞めるかどうか迷っている」段階の相談を受け付けています(執筆時点で無料カウンセリングを実施しています)。この記事の3分類をやったうえで話すと、論点が絞れて時間を有効に使えます。
「辞める・辞めない」の前に、1週間の観察期間を置く
分解が終わったら、すぐに結論を出さず、1週間だけ観察期間を置くことをおすすめします。やることは簡単で、「今日、居場所がないと感じた瞬間」を1日1行メモするだけです。
1週間分を読み返すと、自分の「居場所がない」が特定の場面(会議、昼休み、夕方の雑談)に集中しているのか、一日中続いているのかが見えます。場面が特定できれば打ち手は絞れますし、一日中続いているなら環境を変える検討を本格化させる判断材料になります。どちらに転んでも、あなたは「感覚で辞めた」のではなく「観察して決めた」と言える状態になっています。