管理職になってから、現場で手を動かしていた頃の充実感が忘れられない。会議と調整に一日が溶けていき、「自分は何を成し遂げているんだろう」と感じる。プレイヤーに戻りたい気持ちがあるが、それが逃げなのか本音なのか分からない。そんな迷いを抱える管理職の方は少なくありません。
この記事は「戻るべきか続けるべきか」を代わりに決めるものではありません。ここでは、その戻りたさの中身を切り分け、判断材料を整理するための視点を紹介します。最終的な選択は、読者自身の状況を踏まえて行うものです。
結論:戻りたさは「一時的な反動」と「役割の不一致」に分けて見る
プレイヤーに戻りたい気持ちには、性質の違う2つが混ざっていることが多いです。
- 一時的な反動:管理職になりたての負荷や、慣れない業務への戸惑いから来る、時間で変わりうるもの
- 役割の不一致:自分が力を出し、満足を感じる場所が、そもそも現場側にあるという、時間では変わりにくいもの
前者であれば、マネジメントに慣れ、成果の実感がつかめてくると和らいでいくことがあります。後者の場合は、慣れても満たされにくく、無理に続けると消耗が深まります。この2つを分けずに「戻りたい=向いていない」と結論づけると、判断を誤りやすくなります。まず、自分の戻りたさがどちらに近いかを見極めることが出発点です。
戻りたさの中身を見分ける問い
自分の気持ちがどちらに近いかは、次の問いで確認しやすくなります。
- 戻りたいのは「今の負荷から逃れたい」からか、「現場の仕事そのものが好き」だからか
- 管理職として手応えを感じた瞬間は、これまでに一度でもあったか
- 現場に戻ったとして、数年後に同じ「物足りなさ」を別の形で感じそうか
- 今つらいのは役割の中身か、それとも量や環境などの条件か
「現場の仕事が好き」と「今の負荷から逃れたい」は、似て見えて意味が違います。後者であれば、役割を変えなくても量や進め方の調整で解ける可能性があります。つらさの出どころが役割の中身なのか条件なのかを分けることが、判断の精度を上げます。
数秘術の視点で「力の出る場所」を知る
数秘術は、自分がどんな場面で力を出し、満足を感じやすいかを整理する補助線として使えます。ナンバーで管理職の向き不向きが決まるわけではありませんが、傾向を仮説として持っておくと、戻りたさの背景が見えやすくなります。
- 1の傾向:自分で決めて動き出す推進力が強みです。管理職でも、目標と権限を握って動ける裁量があるかどうかが満足度を左右しやすいとされています。
- 3の傾向:発想と表現の瞬発力が持ち味で、企画や手を動かす場面で力が出やすいとされています。調整中心の役割だと持ち味が発揮しにくく感じやすい傾向です。
- 7の傾向:一人で深く掘る集中力と専門性が強みで、常時の調整や会議で消耗しやすいとされています。専門を深められる立ち位置が合いやすい傾向です。
- 8の傾向:目標達成への推進力と采配が強みで、組織を動かす立場でも力が出やすいとされています。戻りたさが役割そのものより権限や評価のズレから来ていないかを見る視点が効きます。
「自分はどの場所で力が出やすいのか」を仮説として持つと、戻りたさを気分ではなく傾向として扱えます。自分の傾向を客観的に確かめたいときは、無料診断で整理してみるのも一つの方法です。
判断材料を整理する手順
最後に、ここまでの視点を一つの流れにまとめます。
- 戻りたさが「一時的な反動」か「役割の不一致」かを見分ける
- つらさの出どころが役割の中身か、量や環境の条件かを分ける
- 管理職として手応えを感じた場面があったかを振り返る
- 自分の力が出やすい場所の傾向を言葉にする
- 戻る・続ける・役割の中で調整する、それぞれの利点と難点を書き出して比べる
プレイヤーに戻りたいと感じることは、逃げでも失格でもありません。それは自分が力を出せる場所を探しているサインでもあります。気持ちを一つの結論に急いで押し込めず、中身を分けて材料をそろえるところから、納得できる選び方に近づけてみてください。