他部署との連携が進まず、間に立って両方から言われることを聞いているうちに、自分だけが疲れていく。そんな板挟みの状態にいる方は少なくありません。この記事では、なぜ連携がうまくいかないのかを整理する視点と、板挟みの中でも前に進めるための手順をまとめます。

結論:うまくいかない原因は「見ている軸の違い」を整理できていないこと

他部署連携がうまくいかない場面の多くは、どちらかが悪いというより、部署ごとに優先している軸がそもそも違うことが整理されないまま話が進んでいることが原因になりやすいです。

たとえば同じ「早く進めたい」でも、片方は「スピード」を軸にし、もう片方は「手順の抜け漏れがないか」を軸にしていることがあります。軸が違う者同士が同じテーブルで話すと、悪気がなくても噛み合わなくなります。

板挟みで消耗しているときほど、「相手が間違っている/自分が悪い」という二択で考えがちですが、まず必要なのは「お互いが何を軸に動いているか」を言語化して整理することです。以下でその手順を具体的に見ていきます。

なぜ噛み合わない?すれ違いが起きる構造

部署間の連携がこじれるとき、背景にはたいてい次のようなズレが重なっています。

  • 優先順位のズレ:自部署の評価基準では最優先の項目が、相手部署では優先度が低い
  • 情報の持ち方のズレ:自分たちが当然知っている前提を、相手が知らないまま話が進んでいる
  • 決定権のズレ:誰が最終的にゴーサインを出すのかが曖昧なまま、双方が「相手が決めるはず」と思っている

板挟みになる担当者は、この3つのズレを一身に受け止める位置にいることが多いです。どちらの言い分も部分的には正しいため、間に立つ人ほど「自分の意見」を言いづらくなり、疲弊が進みやすくなります。

まず大事なのは、「誰が正しいか」ではなく「どこにズレがあるか」を特定することです。ズレの種類が分かれば、話し合うべき論点も変わってきます。

数秘術の視点で「動き方の違い」を整理してみる

板挟みの状況を客観的に見る補助線として、数秘術の考え方を使う方法もあります。ここでのポイントは、相手や自分を「良い・悪い」で評価するのではなく、「どちらの軸で動きやすい傾向があるか」を言語化することです。

たとえば数秘術の考え方では、1は自分で決めて動き出す推進力の傾向が出やすく、4は仕組みや手順を整えることを重視する傾向が出やすいとされています。この2つが同じプロジェクトに関わると、「とにかく早く進めたい」側と「手順を飛ばさず確認したい」側で摩擦が起きやすくなります。

同様に、2は相手の意図を汲み取り間をつなぐ調整の傾向が出やすく、8は目標達成に向けた推進力が出やすいとされています。8の立場からは「早く数字を出したい」という軸が強く出やすく、2の立場からは「関係者全員の納得を取ってから進めたい」という軸が強く出やすい、という仮説を立てることができます。

また5は変化への適応力や行動範囲の広さの傾向が出やすく、7は一人で深く掘り下げる集中力の傾向が出やすいとされています。5にとっては「まず動きながら調整する」ことが自然でも、7にとっては「事前に十分検討してから動く」ことが自然、というズレが起こりやすくなります。

ここで大切なのは「相手は5だからこうに違いない」と決めつけることではなく、「相手はどの軸を優先している可能性があるか」を仮説として立て、実際の言動と照らし合わせて確認していくことです。数字は答えを出すものではなく、自分と相手の動き方の違いに気づくための補助線として使うと役立ちやすくなります。

自分自身がどんな軸で動きやすい傾向があるのかを整理したい場合は、無料診断で自分の数字を確認したうえで、上記の傾向と照らし合わせてみるのも一つの方法です。

板挟みでも前に進める3つの手順

軸のズレに気づいたら、次は具体的にどう動くかです。板挟みの状態から一歩前に進めるための手順を3つにまとめます。

1. 相手が何を軸に動いているかを言語化する 「相手はスピードを優先している」「相手は手順の正確さを優先している」というように、感覚ではなく言葉にして書き出します。これだけで、次に何を確認すべきかが見えやすくなります。

2. 自分の役割の境界線を確認する 板挟みの担当者は、本来は決定権のない事柄まで自分の責任として背負い込みやすい傾向があります。「自分が判断すべきこと」と「本来は上位者や関係部署の責任者が判断すべきこと」を線引きし直すことが必要です。

3. 落としどころを「共通の目的」から逆算する 双方の軸が違っても、事業やプロジェクトとしての共通の目的は存在するはずです。「どちらの言い分が正しいか」ではなく、「共通の目的に対してどちらの進め方がより近づけるか」という論点に切り替えることで、対立から抜け出しやすくなります。

この3つは一度で解決するものではなく、状況が変わるたびに繰り返し確認していく手順です。板挟みの渦中では冷静に整理する余裕がなくなりがちなので、紙やメモに書き出しながら進めることをおすすめします。

それでも改善しないとき

軸を整理し、境界線を引き直しても状況が変わらない、あるいは特定の相手から人間関係を切り離されるような対応が続く場合は、社内の相談窓口に加えて、外部の相談先を検討する選択肢もあります。

厚生労働省の「総合労働相談コーナー」では、労働条件や職場での人間関係のトラブルなど労働問題に関するさまざまな相談を受け付けており、予約不要・無料で利用でき、全国の労働局・労働基準監督署内などに設置されています(厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」、執筆時点)。一人で抱え込む前に、こうした窓口の存在を知っておくこと自体が板挟みの負担を軽くする材料になります。

まとめ

他部署連携がうまくいかないと感じるとき、多くの場合はどちらかが間違っているのではなく、優先している軸そのものが違っています。相手の軸を言語化し、自分の役割の境界線を確認し、共通の目的から落としどころを逆算する。この手順を繰り返すことで、板挟みの状態でも少しずつ前に進めやすくなります。

自分と相手がどんな軸で動きやすい傾向があるのか、数字という補助線を使って整理してみたい方は、無料診断から自分の数字を確認してみるのも一つの方法です。最終的な判断は、目の前の状況と関係者との対話を踏まえて、自分自身で行うものです。